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最新エステ理論

2009.8.10

心の核2 母の複雑な事情

母の複雑な事情

 胎児が乳児に転化する。肺呼吸になる。一心同体だった母が離れる。不安になる。皮膚をだれかが触る。初めての感触である。声も体内よりははっきり聞こえる。しかし母のいつもしていた心臓の音は聞こえない。羊水の海ももはやない。低い声が聞こえる。父だ。他にもいろんな人が触れる。声も聞こえる。

 外界に出た胎児はすぐに乳児となるが乳児にとって母がすべてである。しかし母は以前とは違い、隣りにいる。

 この場面から一歳になるまでの間、母が愛情をもって子供に「気持ちの安心」を与えることができたら、ほぼ子育ては成功するにちがない。一心同体で母が思うこともこの無意識に刷り込まれていたが、乳児になると母の気持ちが少し遠くなる。乳児はそれを察知する。

 母は気持ちの安心をえられていたら、子にも気持ちの安心が刷り込まれる。それは「抱く」「授乳する」「眠らせる」「排泄の世話をする」 という行為の中で乳児が察知し、感じ取るものだ。

 しかし、母側の物語は実は複雑である。乳児は母にだけすがっていればいいが、母にはまず夫という関係者がいる。また母には祖父母、義祖父母など親戚という人たちがいる。兄弟姉妹がいるかもしれない。あるいは母の周りの環境がある。商売をしていて人の出入りの多いところか、ひっそりとした一軒家か、マンションのようなところか。あるいはまた夫の稼ぎ、経済事情のこともある。母の年齢や友達関係のこともある。

 夫との関係がよくないかもしれない。母がその母(祖母)との関係がよくないかもしれない。母は仕事のことばかり考えているかもしれない。母には母の事情があるのだ。(この稿つづく)

 

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